人生を愛した 最終編 作家トーマス太田

疲労と挫折で喘ぐ者も少なくない人生を愛せるのは冒険家と哲学者だけであると言って過言ではないようだ。 ブライトンの海岸に沿った道は英国造りの花園だ、海岸と砂浜は自然な調和だが人の手が入ったようにも見える。昼間は、ほぼそこで思考と読書だ。スッカ…

人生を愛した 第三弾

駅での人並みは爽やかに流れていく、バックパックとバゲージだけの簡素ないで立ちでの行動なので身が軽い、何か欧州人のような感覚さえなったものだ。先ずは宿泊先へ直行である、ユースホステルと言う若者が使う安宿である。が、公認宿泊機関であり清潔感は…

人生を愛した 第二弾

若いカップルのミニスカートも珍しかった。カップルたちの旅は常に良好に行程が進むように感じる、旅とは心境の変化が環境が変わるごとに微妙に動く心だ。「長い事、風呂は御無沙汰だな、臭くないかな」ポツリ思う、車窓から見る風景は荒野に畑、点在する電…

人生を愛した 第一弾

暖かな微風を頬に感じながら呆然と昼下がりの町並みを眺めていた大津静樹、新宿の駅前だった。定職を持たない若者の集団、野宿も厭わないのであろう、彼もその中の一人だった。ヒッピーと言う若い厭世集団が既成の事実を嫌い主体的生活を好んだのである。ジ…

老人と少女 (ショートショート小説)続編二弾

川元源司郎がロスの空港に降り立ったのは早や数十年前になる。日本で過ごしたことを数え入れると長い年月が流れたものだと、溜息交じりにつぶやいた。繁々と自分の顔を眺めると年月の割には皺の少ない彫の深い顔だ。決して嫌いではないが子供の頃はそれでよ…

恋仕掛け

少し間がありました。カリフォルニアにて明るい太陽の日を浴び創作活動に勤しんでいます。長く遠い道を歩いて来ました、船底に吸い付くツボ貝のように体に経験と言う貝が住み着きました。いつの日か銀座の文士が屯するクラブにひっそりと佇む姿を浮かべてい…

荒馬と女

荒馬と女 手綱を力任せに引く、鼻息荒くようやく馬足を止めた。まるでムスタングだ、下馬するとグローブした手が痛かった。雌馬は手が掛かると吐き捨てるように言った。つかぬ間、馬が暴れ出した。慌てながら投げ縄を手に近づいた後ろ脚で立ち前脚をばたつか…

暗夜行路

暗夜行路 ビルに埋もれてしまったような気分だ。探したいとの気持ちは募のだが、ビルの狭間は無情にもそっぽを向いてしまったようだ。健司から去って行ったのは春先の風がピンク色に吹く日だった、運命の悪戯と流せばいい、起こることに足を止めていたら明日…

恋のプレリュード 女性諸氏、ジョニー・デップです。又、蹴られるでしょうが、B型男の憂鬱です。 越えなけらばならない山がそこにあった、荒涼と広がる大地の上にだ。数時間前に起こった憂いることだった。初めて彼女に遇ったのもこの場所だドライブでその山…

口癖です。ジョニー・デップですが。モテコーデのB型の僕ですが、これを言うと必ず女性に嫌われます。大昔、宿でホストをしたことが少しは残っているのでしょう。ハッキリ言って大したお面ではないです、鼻が高く目が彫り込まれ目の色がヘイズアイだけです。…

今回は侍の心と言う題で過ごした日本を書いてみたい。 俺は日本を愛した。そう東京の下町で過ごし多くの事を受けた、当時のこの場所は確かに飢えていた、駐留米兵の投げてくれるチョコレートの味には驚嘆した、私が愛した母が作ってくれる飴は酢と砂糖を混ぜ…

レーサーの孤独

漱石に憧れを持つトーマスです トウアンドヒールで細かく刻むクラッチペダル、ギア回転数を下げずギアチェンだ、数秒の誤差がスピード殺すヘアピンのアウトに車体を大きく持っていき目いっぱいにインに叩き込むのだ。首にかかるG圧をヘルメット後部をバーに…

太陽燃える外人部隊

日々書き男のロマンを伝えていきたい。僕の果てしない空想の世界と現実とのコラボレーション、極めて短いショートショートの中にある心に留まる文章があれば、僕の意とするところです。ペンの強さは世に変え難い足跡となります、そして機会を与えて下さった…

人生の100マイル

私が日本を後にしたのはある日の冬だった。咽(むせ)ぶようなトランペットの音層が追いかけてくる、確かにマイルスデイヴィス・サウンドだ「心に沁みるぜ」その日。旅に出る何時もは着慣れた革ジャンに擦り切れそうなリーバイスだ、サングラスをすると彫の…