老人と少女 (ショートショート小説)続編二弾

川元源司郎がロスの空港に降り立ったのは早や数十年前になる。日本で過ごしたことを数え入れると長い年月が流れたものだと、溜息交じりにつぶやいた。繁々と自分の顔を眺めると年月の割には皺の少ない彫の深い顔だ。決して嫌いではないが子供の頃はそれでよ…

恋仕掛け

少し間がありました。カリフォルニアにて明るい太陽の日を浴び創作活動に勤しんでいます。長く遠い道を歩いて来ました、船底に吸い付くツボ貝のように体に経験と言う貝が住み着きました。いつの日か銀座の文士が屯するクラブにひっそりと佇む姿を浮かべてい…

荒馬と女

荒馬と女 手綱を力任せに引く、鼻息荒くようやく馬足を止めた。まるでムスタングだ、下馬するとグローブした手が痛かった。雌馬は手が掛かると吐き捨てるように言った。つかぬ間、馬が暴れ出した。慌てながら投げ縄を手に近づいた後ろ脚で立ち前脚をばたつか…

暗夜行路

暗夜行路 ビルに埋もれてしまったような気分だ。探したいとの気持ちは募のだが、ビルの狭間は無情にもそっぽを向いてしまったようだ。健司から去って行ったのは春先の風がピンク色に吹く日だった、運命の悪戯と流せばいい、起こることに足を止めていたら明日…

恋のプレリュード 女性諸氏、ジョニー・デップです。又、蹴られるでしょうが、B型男の憂鬱です。 越えなけらばならない山がそこにあった、荒涼と広がる大地の上にだ。数時間前に起こった憂いることだった。初めて彼女に遇ったのもこの場所だドライブでその山…

口癖です。ジョニー・デップですが。モテコーデのB型の僕ですが、これを言うと必ず女性に嫌われます。大昔、宿でホストをしたことが少しは残っているのでしょう。ハッキリ言って大したお面ではないです、鼻が高く目が彫り込まれ目の色がヘイズアイだけです。…

今回は侍の心と言う題で過ごした日本を書いてみたい。 俺は日本を愛した。そう東京の下町で過ごし多くの事を受けた、当時のこの場所は確かに飢えていた、駐留米兵の投げてくれるチョコレートの味には驚嘆した、私が愛した母が作ってくれる飴は酢と砂糖を混ぜ…

レーサーの孤独

漱石に憧れを持つトーマスです トウアンドヒールで細かく刻むクラッチペダル、ギア回転数を下げずギアチェンだ、数秒の誤差がスピード殺すヘアピンのアウトに車体を大きく持っていき目いっぱいにインに叩き込むのだ。首にかかるG圧をヘルメット後部をバーに…

太陽燃える外人部隊

日々書き男のロマンを伝えていきたい。僕の果てしない空想の世界と現実とのコラボレーション、極めて短いショートショートの中にある心に留まる文章があれば、僕の意とするところです。ペンの強さは世に変え難い足跡となります、そして機会を与えて下さった…

人生の100マイル

私が日本を後にしたのはある日の冬だった。咽(むせ)ぶようなトランペットの音層が追いかけてくる、確かにマイルスデイヴィス・サウンドだ「心に沁みるぜ」その日。旅に出る何時もは着慣れた革ジャンに擦り切れそうなリーバイスだ、サングラスをすると彫の…