幸せ

耳元に聞こえる微かな音色はジャズだ、小説を書く時に筆体はアドリブになる思考と重なって協和音に置き換えられる。書くことに於いて精神は疾風になり重ね書きが始まるどうであったかああであったか文章は進んでいく、そうだあの時はこうだった、と独り言を言い書き進む、そこには過去にあった出来事が鮮明に頭に映る、そして文章は続いていくのだった。ある日の午後、呼ぶ方の方向に顔を向ける誰もいない、これは書くことに於いての錯覚であろう。楽しさは書くことよる連鎖反応である。そして文章は続くのだった。

             多大 和彦 トーマス