2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

人生を愛した 最終編 作家トーマス太田

疲労と挫折で喘ぐ者も少なくない人生を愛せるのは冒険家と哲学者だけであると言って過言ではないようだ。 ブライトンの海岸に沿った道は英国造りの花園だ、海岸と砂浜は自然な調和だが人の手が入ったようにも見える。昼間は、ほぼそこで思考と読書だ。スッカ…

人生を愛した 第三弾

駅での人並みは爽やかに流れていく、バックパックとバゲージだけの簡素ないで立ちでの行動なので身が軽い、何か欧州人のような感覚さえなったものだ。先ずは宿泊先へ直行である、ユースホステルと言う若者が使う安宿である。が、公認宿泊機関であり清潔感は…

人生を愛した 第二弾

若いカップルのミニスカートも珍しかった。カップルたちの旅は常に良好に行程が進むように感じる、旅とは心境の変化が環境が変わるごとに微妙に動く心だ。「長い事、風呂は御無沙汰だな、臭くないかな」ポツリ思う、車窓から見る風景は荒野に畑、点在する電…

人生を愛した 第一弾

暖かな微風を頬に感じながら呆然と昼下がりの町並みを眺めていた大津静樹、新宿の駅前だった。定職を持たない若者の集団、野宿も厭わないのであろう、彼もその中の一人だった。ヒッピーと言う若い厭世集団が既成の事実を嫌い主体的生活を好んだのである。ジ…