太陽燃える外人部隊

f:id:ota_thomas:20210120061328j:plain

日々書き男のロマンを伝えていきたい。僕の果てしない空想の世界と現実とのコラボレーション、極めて短いショートショートの中にある心に留まる文章があれば、僕の意とするところです。ペンの強さは世に変え難い足跡となります、そして機会を与えて下さったはてなブログには感謝です。

  ある日の営門を出るのは解放された鳥のようにはいかなかった。生きている事を忘れさすほどの戦闘訓練を体に刻んだからだ。若しパラシュートが開かなかったら大福餅のように着地下で体が横へ広がってしまう、そう死である。何回となく生きている実感を、空手の組手乱取りの時も宙を切る回し蹴りを避けきれずに瞬時気を失った、その時とは数段異なるものがある。生きている事への憧憬は似るものがある。

生きている情熱の火は消したくない闘うことは最高なる男のロマンである、そしてそこに女がいれば後は何もいらない。無論美人なら映画の中の世界だ、コート姿にソフトをかぶりタラップを駆け上がる男、何か事情があるのであろう、タラプ下で女が見つめている瞳には薄っすら涙が映る。

サハラ砂漠のフランス外人部隊にいた、戦場が生きるリアル感だそこが居場所なのであろう。炎天の地の果てとはよく言ったものだ水一滴が生死を分ける、満天の星には薄らいだ慕情が蘇る、命がけの時は常に女の顔が過る渋く掘られた顔には白い制服が焼き付く。スリランカの酒場だった、カウンターに座ると一人の女がうなだれる様に横へ来て座った意味ありげだ。ぽつりぽつりと話し始めた彼氏の話のようだ、イラクに派遣され激しい銃撃戦で戦死した、そこで話が止まる。酒が紛れるのだろうと入った。するとカウンター越しに見えた姿が錯覚的に錯綜しらしい。彼も白い制服が良く似合い髭までが彷彿させたらしい。二人で暫く飲んだ話す言葉も無く、しかし何か気が通じ合う大分たったのだろうか表に出ると三日月が出ていた、その情景にはいやでも心情を揺すられるのだ。二人で無言でしばらく歩くと女が言った「今晩、寂しから寄っていて」、男は頷く。部屋は清潔に保たれベットのモスグリーンのシーツが可憐な模様と相まって異常に感情が高まって来た。朝目が覚めると隣に女がいた顔を見ると正しくアラビアンビューティーだ、一瞬だが心が騒鵜だ。コーヒーをブラックで飲み外に出ると日は既に高かった。白壁に映る白い制服がより際立った、女は微笑み手を振っている。互いに幸せな一晩だった、再び戦場に向かう男の後ろ姿に太陽が燃えていた。明日は。